2008年7月10日 (木)

21世紀新型インフレに対する処方箋

前述したように、現在進行中の21世紀新型インフレは主に原油価格高騰を原因としたコストプッシュ型インフレであり、その価格高騰は1970年代オイルショック時のような需給バランスや地政学リスクではなく、投機的売買動向であると考えられます。

原因が自然などコントロール不可能なものと違い、市場価格のコントロールということから、対処については1970年代のケースより容易と思われます。

まず、市場つまりは相場というものの性質上、最初はゆっくり始まるが、突然加速し、最後は完全にヒステリー状態に陥るものであり、数学的には、買うから上がる、上がるから買うなどの非常に強いポジティブ・フィードバック・ループが働いている動学的複雑系と呼ばれ、その特徴としてある臨界値に達すると理由もなく価格が崩壊する性質を持っているからです。

特に最近の原油価格は非常に高いボラテリティを示しており、相場というシステムが内在する不安定性を垣間見せています。

ただし、その原油価格が崩壊するタイミングや水準については、地震の起こる日時や規模が予測できないのと同様に、わかりません。(相場と地震は同じく動学的複雑系の性質を持っていると言われています)

また、その崩壊を促すきっかけとして以前にも述べた投機マネーを規制の動きもあります。

投機マネーが主犯? 米議会で規制論高まる  (6/25 msn 産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/world/america/080625/amr0806251820013-n1.htm

原油価格が下がれば、1970年代同様インフレを恐れず金融政策が取れるようになります。
そこで初めて金融システム不安も後退し、世界経済は新たな枠組みで力強く動き出すことになるでしょう。

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2008年7月 9日 (水)

過去の代表的なインフレについて

A型:需要インフレ(ディマンド・ブル・インフレ)
1955年以降の日本の高度経済成長時代が代表的な例、「三種の神器」をはじめとする耐久消費財が急速に普及、マイルド・インフレ状態の中、需要増大を背景とし年率10%を超える経済成長を遂げました。

B型:供給インフレ(コスト・プッシュ・インフレ)
日本において、1973年~74年および1979年の2回にわたりオイルショックによる一時的に急激なインフレが発生しました。
1974年、消費者物価指数で23%の上昇となり、インフレ抑制のために公定歩合の引き上げが行われ、企業の設備投資などが抑制。
結果1974年は-1.2%と戦後初めて、マイナス成長を経験し、高度経済成長がここに終焉を迎えました。

C型:資産インフレ
日本の経済史上で1980年代後半~1990年代初頭にかけてみられたインフレです。
過剰な投機熱による資産価格の高騰(バブル経済)によって支えられ、その崩壊とともに急激に後退。
その後の平成不況(複合不況、失われた10年)の引き金となりました。

ハイパー・インフレ
1988年、アルゼンチンでは経済成長の後退からハイパーインフレが発生。
1989年には対前年比50倍の物価上昇が見られ、1992年にアルゼンチン・ペソと米ドル間の固定相場制を導入するまで、経済が大混乱となりました。
国家財政の破綻はもちろんのこと庶民のタンス預金は紙屑同然となりました。

スタグフレーション(stagflation)
1973~1974年の第1次オイルショック、1979年の第2次オイルショックでは多くの先進国がスタグフレーションに悩まされました。
1980年代に入って石油価格がほぼ半値まで低下して、スタグフレーションから脱却することに成功しています。
生産設備や生産工程の見直し、省エネルギー運動もその一因です。

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2008年7月 8日 (火)

21世紀新型インフレ

現在のインフレは原油など一次産品の市場価格高騰が産んだB:供給インフレ(コスト・プッシュ・インフレ)であり、消費減退を伴い合併症であるスタグフレーション(stagflation)を引き起こしています。

B型インフレの主な原因(Cause)と理由(Reason)を考え、分類すると

原因(Cause)
1「原油価格」
2「鉄鋼など金属価格」
3「穀物価格」
4「賃金」

理由(Reason)
1「需給バランス」
2「地政学リスク」
3「投機的売買動向」

そこで現在のインフレをインフルエンザウイルス風に解説すると、

C1R3型のB型インフレーションで、合併症であるスタグフレーションを引き起こしている。
尚且つ、局地的なものではなく、世界的な大流行(パンデミック)となっており被害拡大が懸念される…といったところでしょうか。

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2008年7月 7日 (月)

恐ろしい合併症、スタグフレーション(stagflation)

インフルエンザが悪化して、肺炎やインフルエンザ脳症といった合併症を引き起こすのと同様、インフレもスタグフレーション(stagflation)と呼ばれる合併症を引き起こすことがあります。

スタグフレーション(stagflation)とは経済現象の一つで、stagnation(停滞)、inflation(インフレーション)の合成語で、経済活動の停滞(不況)と物価の持続的な上昇が共存する状態を指します。

景気回復を図る為に、金利を低目誘導したいが、そうするとインフレを昂進させ、余計に景気を落ち込ませるなど、金融政策が取りづらくなります。

まさに現在の米国経済の状況です。

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2008年7月 4日 (金)

インフレの速度別分類

クリーピング・インフレ
ゆるやかに進むインフレ。インフレ率は年数%で、好況期に見られる。経済が健全に成長していると見なされ、望ましい状態と言われることが多い。マイルド・インフレとも呼ばれる。

ギャロッピング・インフレ
早足に進むインフレ。インフレ率は年数十%。スタグフレーションに伴って生じることがある。

ハイパー・インフレ
猛烈な勢いで進行するインフレ。極端な場合、一日単位や数時間単位で貨幣価値が変わることもある。通貨の信用が失われた状態である。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

注目されるインド経済は今年初めまで6%以下のマイルド・インフレ状態が続き、非常に良好な環境でした。
それが、今年原油価格が100$/blを超えたところから徐々にインフレが悪化。
ギャロッピング・インフレとの境目10%を突破しました。
政府はなんとか早期にマイルド・インフレ状態に戻したいと考えています。

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